シンデレラマン

シンデレラマンの原作を読もう

シンデレラマン[Cinderella Man]

公開:2005年9月17日

2005年/アメリカ/2時間24分

配給会社:ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)

キャスト | プロット | レビュー | リンク



 
Cast

ジャンル
ヒューマン

監督
ロン・ハワード (Ron Howard)

キャスト
ラッセル・クロウ (Russell Crowe)、レニー・ゼルウィガー (Renee Zellweger)




 
Plot

 大恐慌時代のアメリカ。実在し、人々から“シンデレラマン”と呼ばれたボクサーの人生の断片を、カメラは寄り添うように見つめていく。


 家族と幸せに暮らすジミーは、前途有望な若手ボクサー。右ストレートを武器に、次期チャンピオンになれると目されていた。だが、右手を故障。勝利に見放された彼は、ライセンスを剥奪されてしまう。失業者のひとりとなり、日雇いの肉体労働に就けることすら難しい日々。困窮の中、彼が守りたかったのは愛する家族だけだった。


 そんなとき、かつてのマネージャーから一夜限りの試合復帰を持ちかけられる。



 
Revue

 久しく良い映画を観たって気がしましたね。ロン・ハワード作品としては「バックドラフト」がお気に入りなのですが、この作品もまたお気に入りに入りそうです。


 で、この映画、なんの知識無しに観ると、典型的なシンデレラストーリーに思える。節々にお涙頂戴のシーンや生々しく痛々しいファイトシーンが入り、観客を感動させる。
多分、観客の大半が “これらのシーンに魅せられただけの感動” を得るのだと思う。


「極貧生活の中、頑張ってるんだな」「家族って素晴らしいな」「彼は貧しい人々の希望の星なんだね」等。


 しかし、この時代背景を認識している方はそんな単純なシンデレラストーリーに見えなかっただろう。


 時代は遡り19世紀。アイルランドではジャガイモ飢饉(ジャガイモを主要食物としていたアイルランドに起こった食糧難)による移住が相次いだ。この移住はアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどへ計200万人以上にのぼるといわれる。アイルランド系(アイリッシュ)住人にはカトリック教が多い為、移住先でも新教徒国であるアメリカでは差別が絶えなかった。誰もやりたがらない危険な仕事(警察官や消防士)にはアイリッシュが就くこともしばしばだった(そういえば「バックドラフト」の消防士もアイリッシュの兄弟でしたね)。
 このラッセル・クロウ扮するジム・ブラドックもまたNY生まれのアイリッシュ(アイルランド系)であり、カトリック教。妻のメイも週末にはミサに通っていた。


 事は起こり大恐慌(1929〜1933)。米国では株価は80%以上下落し、1929年〜1932年に工業生産は平均で1/3以上低落し、1200万人に達する失業者を生み出した。これは全労働者の4分の1に当たる(失業率25%)。
 この大恐慌のあおりで自然発生的に出来た“フーヴァー村”(住居まで失った人々の暮らすコミューン)が登場。ここでは共産主義という名目の下に公的な機関から度重なる圧迫を受けている。そう、ブラドックの友人(マイク)はこの為に亡くなった。


 こんな中、ブラドックが得た数々のチャンスと勝ち取った栄光は、全てに平等のチャンスがある、何度でもやり直しが効くというアメリカン・ドリームを暗闇がかった貧困者に魅せたのではないだろうか。
 そして、どんなに極貧であろうと盗みなど人道外れた真似はせずに生き抜く。それは人間として、親として失ってはいけない子供たちの手本となるべき姿だったのではないか。また、家族との絆を大事に紡いでいく様は現在では学ぶべき家族のあり方ではないだろうか。


 余談ではあるが、ブラドックが世界チャンピオンを賭けて戦う前に、妻のメイが教会に祈りを捧げに訪れる。するとそこには、ブラドックに祈りを捧げる大勢の姿があった。そしてなんとこの光景を見守るメイと司祭の後部には○○○○が飾ってあった。まさにブラドックは救世主である○○○○のように目に映ったのだろう。


 如実に浮き彫りにされる時代背景、隅々まで行き届いた演出、見ごたえがある映画だと思います。ただ残念なことに、共産主義であるマイクの描写がいまいち日本人には判りづらいかなと。特に今の若者では100%理解しうるものではなかったと思う。やはり、ここら辺は映画を観る人には学んでほしいところなのではないでしょうか。


 と、今回はやたら歴史のお話が長くなりましたが(ま、この話は実際の話だからね)、以下の項目について知っていれば、更に感動することでしょう、ということです。


 ・ジャガイモ飢饉(1845〜1849)
 ・南北戦争(1861〜1865)
 ・大恐慌(1929〜1933)
 ・カトリック教
 ・赤狩り(1900年代前半〜半ばにかけて)


 おっと、言いそびれましたが、ボクシングのファイトシーンなんかはCGを利用したせいもあるけど、「ミリオンダラー・ベイビー」よりも断然に良いです。痛々しい殴り合いはまさに手に汗を握る程ですね。


評価 [ぁГ發Π貪抓僂燭ぁ!]
★★★★☆



 
Link

 ・「シンデレラマン」公式サイト


 ・ロン・ハワード (Ron Howard)監督作品
   ビューティフル・マインド(2001)
   アポロ13(1995)
   バックドラフト(1991)


 ・ラッセル・クロウ (Russell Crowe) 出演作品
   ビューティフル・マインド(2001)
   グラディエーター(2000)


 ・レニー・ゼルウィガー (Renee Zellweger) 出演作品
   シカゴ(2002)
   ブリジット・ジョーンズの日記(2001)


Comment


Trackback

『シンデレラマン』を観て来ました! : 2005年9月25日 シンデレラマン Cinderella Man 実在した伝説のボクサー かつて、“シンデレラマン”と 呼ばれた男がいた 2005年9月17日(土)より全国ロードショー 2005年6月3日全米公開 2005年/アメリカ ??心で語り継がれる《奇跡の実

☆★☆風景写真blog☆★☆healing Photo! | at: 2005/09/27 1:46 PM

シンデレラマン : ジムは骨折など、数々の怪我で引退してしまった元ボクサー。 妻のメイ、3人の子供達を心から愛している しかし、不況の嵐に巻き込まれ、日々の食事にも事欠く毎日・・・ 配給でなんとか生きていくのだが、滞納で電気も止められてしまう程、 貧窮に苦しむように成っ

Enjoy Life♪ | at: 2005/10/06 4:38 PM

Trackback URL

http://koyos.jugem.jp/trackback/293506